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薬機法に違反しないための対策

2021年8月に薬機法が改正し、医薬品等の広告規制に課徴金制度が導入されました。

ネット広告や表現にどのような影響があるのかをここでは解説します。

 

■薬機法とは
「薬機法」とは、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器、再生医療等製品の品質・有効性・安全性を確保するための法律で、正式には「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」といいます。

薬機法では、上記の製品につき、製造、販売、表示、広告などについて規制し、その適正化を図ることを目的としています。

 

■薬機法の広告規制と違反した場合のリスク
まず、薬機法における広告とは、次のいずれの要件も満たす場合のことをいいます(平成10年9月29日付け 医薬監第148号厚生省医薬安全局監視指導課長通知)。
1.顧客を誘引する(顧客の購入意欲を昴進させる)意図が明確であること
2.特定医薬品等の商品名が明らかにされていること
3.一般人が認知できる状態であること

 

そして、薬機法の広告規制として、同法第66条~第68条に次のような規定が置かれています。
・虚偽・誇大広告等の禁止(第66条)
・特定疾病(がん、肉腫、白血病)用の医薬品及び再生医療等製品の広告の制限(第67条)
・承認(認証)前の医薬品、医療機器及び再生医療等製品等の広告の禁止(第68条)

 

第66条・第68条の規制は「何人」に対しても適用があります。医薬品等の製造販売業者や販売業者などに限定されず、広告を行った新聞社や雑誌社、SNSインフルエンサーなど、その広告に絡んだすべての人に適用されます。

 

これらの規定に違反した場合、次のようなリスクがあります。
・違反広告にかかる措置命令等(違反行為の中止・排除や、再発防止策の実施などの措置命令。同法第72条の5)
・課徴金納付命令(同法第75条の5の2)
・刑事罰(懲役刑、罰金。同法第85条4号、5号)

 


■違反しないための対策
違反しないための対策としては、次の点に注意しましょう。
・厚生労働省が定めるガイドライン(医薬品等適正広告基準)や違反とされる表現事例などを確認する
・自社内で広告ガイドラインを作成し、関係者すべてに共通認識を持てるようにする
・薬機法の広告規制に精通した専門家に相談する

 

厚労省は、どのような広告が薬機法違反となるかの判断基準となるガイドラインやその詳細の解説等を作成しているため、医薬品等の広告を行う際は必ず確認しましょう。薬機法の規定やガイドラインは日々見直しがされているため、日々アンテナを張り、知識のアップデートも欠かせません。
また、薬機法の広告規制は「何人」に対しても適用される可能性があり、「そのような規制は知らない」は通用しません。自社内で広告ガイドラインを作成し、関係者に周知させることで、トラブルを未然に防止することができます。
そうは言っても、関係法令やガイドライン等のあらゆる規制に精通するのは非常に困難です。

自社内ガイドラインを作成する等の際には、広告規制に精通した専門家からアドバイスをもらうようにしましょう。

 

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奥田敦弁護士
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薬剤師
奥田 敦

MLIP経営法律事務所(〒105-0004 東京都港区新橋2-2-3 ル・グラシエルBLDG28-5階)

  • 所属団体
    第一東京弁護士会(53859)
  • 経歴

    大学卒業後、薬剤師資格を取得し、大手製薬会社に入社。

    その後弁護士となり、MLIP経営法律事務所にて執務。

    一般社団法人日本健康寿命延伸協会・理事

     

    薬剤師・医療経営士2級

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